事件名の付け方
事件名の付け方には明確なルールはありません。事件の種類を簡潔表すものが良いでしょう。訴状には、以下の画像のように記載します。
貸したお金の返還請求なら、「貸金返還請求事件」「貸金請求事件」。
請負代金の請求なら、「請負代金支払請求事件」「請負報酬請求事件」。
家賃の請求なら、「賃料支払請求事件」。
保証人に請求するときは、「保証債務履行請求事件」。
交通事故による損害賠償なら「損害賠償請求事件」。
マンションやアパートの明渡請求なら「建物明渡等請求事件」。
事件名は、こうでなければいけないという、細かい規則はありません。
ただ、簡潔に訴訟の種類内容を示していればよいのです。変わった事件名を指定して良いことは全くありません。かえって、変な人が起こした裁判だと先入観をもたれることもありえます。正当な請求であることを主張するなら、簡潔な事件名を記載しましょう。
「等」ってなに?
あまり気にしなくても良いことですが、上記の例で、「建物明渡等請求事件」と、「等」を入れたのには理由があります。
賃貸していた物件の明渡を求めるときには、通常、滞納賃料の支払を求めますね。厳密には、建物の明渡と、賃料の支払の2種類の請求があることになります。
そこで、主な請求が「建物明渡請求」で、それ以外にもあるということを表現するのに「等」を挿入したのです。
しかし、別にこれだって無くても問題ありません。事件名が「建物明渡請求事件」としていても、未払賃料などの請求を附帯請求としていても、何の問題も無いのです。