簡易裁判所に訴状が受理されると、被告に訴状が送達されます。
訴状に不備があれば、訴状審査の段階で訴状の訂正などが求められることがあります。訴状訂正申立書を提出した場合は、訴状訂正申立書も訴状と一緒に送達されます。
訴状が納められた封筒には、裁判所名がバッチリ書かれています。
受け取った側からすれば、いかにも「ただごと」ではない雰囲気です。
この封筒には、訴状のほかに、証拠の写し、証拠説明書が納められています。
付属書類は被告に送られません。
これらは、訴状提出時に、「副本」として、裁判所用と合わせて2部ずつ提出した書類です。訴状を出すときに、訴状や証拠のコピーを、2部提出する必要があるのは、被告に送達するためなのです。
訴状に同封されて呼出状が届く
これ以外に被告に送られるものがあります。
それは、「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」です。
まず、口頭弁論期日呼出状は、第一回期日に出頭するよう求めるものです。出頭すべき期日の日時と法廷の場所も記載されています。
被告は、まったく日程調整なく、いきなり日時指定で呼び出しを受ける訳です。
そして、答弁書催告状とは、被告に、なにか主張があるのなら、答弁書を提出するように求めるものです。提出期限も指定されており、期日の1週間前くらいに設定されています。
ちなみに、この期限を過ぎてしまっても、答弁書の提出は可能であり、特に提出が遅れた理由を弁明したりする必要はありません。答弁書も提出せず、期日にも出頭しないと、原告の請求がそのまま認められてしまいます。これがいわゆる欠席判決です。
同封されている答弁書のひな形
訴状送達時の封筒には、答弁書の書き方を説明した書類や答弁書の雛形も同封されています。
この雛形には、原告の主張に反論がある場合だけでなく、反論はないが、分割払いを希望するというチェック項目があることがわかります。このような項目があるので、反論の余地がない被告も、欠席判決で敗訴するよりも、支払方法について話し合いをするためだけでも、被告側は出席する価値があります。
原告にとっても、裁判所が和解協議をリードしてくれることは、ありがたいものです。裁判というのは判決を求めると、どうしても解決に時間がかかります。
簡裁は、和解の進め方は少し強引と思われる方もいるかもしれません。たしかに、場合によっては、安易に和解を進めすぎているという批判が当たることもあるかと思います。
しかし、解決が早いというのは、簡裁ならではのメリットなので、基本的には、これを、うまく活用する意識で利用したら良いかと思います。