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訴状 訴訟手続

訴状受理後の訴状審査で却下されないための対応方法

投稿日:5月 20, 2019 更新日:

補正の促し→応じない→補正命令→応じない→却下

裁判所の受付で訴状が受理されると、裁判を担当する部門に配転されます。

ここで、正式な意味での「訴状審査」が行われます。

訴状に不備があると、裁判所から電話が入り、訴状の補正を促されます。

添付しなければいけない付属書類が提出されていないとか、訴額の計算等の誤りがあり収入印紙が不足しているなどといったものです。

これに応じないでいると、「補正命令」が発せられます。

これにも応じないと、訴状が却下されてしまいます。

どう対応すべきか

ときどき、裁判所に対して、敵対心をむき出しにしている、本人訴訟を見かけることがありますが、あまりいい戦略ではないです。

裁判所を味方につけるという気持ちが重要です。

裁判官や裁判所と喧嘩して得することはありません。

訴状の補正を促されたときは、むやみに抵抗せず、冷静に何を求められているか、確認しましょう。良く分からなければ、言われたことをメモをとり、どのように対応したらいいか、書記官に丁寧に質問しましょう。

具体的な対応方法(いろんなパターンごとに) 

請求の趣旨、請求原因の修正を指示された

補正を求められた内容が、「請求の原因」や「請求の趣旨」の記載など、訴状の記載の修正に関するものであれば、訴状を作り直すのではなく、「訴状訂正申立書」を提出します。

請求の趣旨で、引用している物件目録とか図面の修正を求められる場合もこのパターンです。
とくに、別紙図面、これがめんどうな時があります。測量レベルの正確さを求められるときがあって、詰む可能性すらあります。

訴額の計算間違い、費用の追納を指示された

収入印紙や郵券が不足しているだけの時は、追加で印紙や切手を納付すればOKです。

印紙や郵券などの手数料を追加で納付する場合は、収入印紙等をそのまま持って行っても大丈夫だと思いますが、手数料納付書という書式に、納付する金額と事件番号を記載して提出します。収入印紙は、この手数料納付書に貼ります。

逆に、手数料を納めすぎたと言うときは、還付の申立書という書類を提出すると返してもらえます。

付属書類の提出を指示された

付属書類を追加で提出するときは、それだけ持参したり、送付してもいいと思います。上申書という書類をつけて提出するとプロっぽいかと思います。(不備がある時点でプロっぽくはありませんが)

書式のひな形は?

訴状訂正申立書、手数料納付書、還付申立書は、ここにあります(裁判所HP)。
請求の趣旨や当事者の表示などの訂正申立書のワードファイルの書式も作成したので利用してください。
【書式】訴状訂正申立書

上申書は、書式と言うほどのものはありません。以下のような体裁で適宜作成しましょう。

令和元年(ハ)第7777号
原告 山田太郎
被告 株式会社川田屋
         上 申 書
                 令和元年9月9日
名古屋簡易裁判所 民事○係 御中

頭書事件について、被告の現在事項全部証明書を提出いたします。

添付書類
1 現在事項全部証明書 1通
 

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