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参考になる本、ならない本

本人訴訟に参考になる本、ならない本

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弁護士を付けないで裁判を起こす、起こされた時に参考になる本をレビューします。

今回紹介するのは千葉県弁護士会の「慰謝料算定の実務(第2版)」です。

良いところ

この本は、いろいろな分野で問題になる慰謝料の相場を知るのに有用です。傷害、殺人、セクハラ、医療事故などの慰謝料、不貞慰謝料などの相場が多数の事例に基づいて集計されています。
各事例が、一覧表で見やすく整理され、慰謝料の算定で考慮されたと思われる事情が記載されているので、具体的な事案における慰謝料の相場を検討するのに役立ちます。
刑事事件の示談交渉の結果支払われる慰謝料には、相場のようなものがあるようでないことがよく分かります。刑事事件の示談では、加害者に資力があるかないかで示談額に大きな差が生じます。しかし、裁判例の集計は、判例集などからは困難ですので、大変参考になります。

悪いところ

この本には、特に悪いところはありません。

本書の構成

第1章  総論
第2章  男女間のトラブル
第3章  ハラスメント
第4章  名誉・プライバシー
第5章  医療事故
第6章  公害・薬害
第7章  相隣関係
第8章  労働関係
第9章  交通事故(自動車)
第10章 交通事故(自動車以外)
第11章 工作物・営造物
第12章 子どもの権利
第13章 消費者取引
第14章 金融取引
第15章 公権力の不当行使
第16章 刑事事件(犯罪被害者)
第17章 専門家責任
第18章 その他

このように、いろいろな分野で、慰謝料が争われた事例が集計されています。
本人訴訟では、慰謝料の相場の感覚がないことが通常だと思いますので、裁判所での現実の相場の感覚を知りたいというときには、本書を参考にすることをおすすめします。

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