DIY裁判

本人訴訟を支援するため弁護士が作ったサイト。弁護士なしで裁判をする方法について解説します。

貸金返還訴訟

貸金返還請求訴訟の立証手段

投稿日:5月 14, 2019 更新日:

金銭を貸付けたことを立証するためには、契約書などの書証が有効です。
しかし、書面がなくても立証できることはあります。

貸金を証明する書面

貸金に関する契約書を「金銭消費貸借契約書」といいます。
似たようなものに「借用書」があります。

両者の違いは、
金銭消費貸借契約書  貸主と借主の双方の署名捺印による契約書
借用書  借主のみの署名捺印による返済の誓約書

いずれも、貸金の証明をするのに十分です。

契約書などがないとき

まず、金銭を交付したお金の流れが証明できるかがポイントです。

貸金訴訟で原告が立証しなければいけないポイントは、
金銭の交付と返還合意です

したがって、被告にお金を交付したという事実の立証がまず必要です。

そして、金銭を交付したことが事実とすれば、
何の名目で支払ったのかが問題となりますが、
お金を払う理由が他になければ、
貸付のために交付した、という原告の主張に説得力が生まれます。

多様な立証手段

メールも民事裁判ではよく提出される証拠です。

借金の依頼をするメール、返済猶予を求めるメールは貸金の存在を推認させます。

貸付や一部弁済のお金の流れを示す預金取引の履歴(通帳のコピー)も、貸金の証拠となることは多いでしょう。

証拠がなくてもあきらめない

証明する手段がわずかな場合は、どうすればいいでしょうか。

相手と話し合いをして、その際に、証拠になるようなやりとりを録音することも有効です。返済を猶予する代わりに、契約書や借用書を書いてもらうように、交渉することも考えられますね。

ダメもとで訴える?

証拠が不十分な場合などでも、とりあえず、訴えてみる価値はあります。

というのも、被告として裁判所に呼び出されれば、誰でも堂々と嘘をつくことは抵抗があります。

原告に請求原因を立証する手段がなくても、被告が借りたこと自体を争わなければ、貸金の証明をする必要はなくなります。その結果、訴訟上の和解が成立したり、勝訴判決を勝ち取ることも可能です。

もちろん、争われた結果、敗訴する恐れもあります。そうなれば、控訴などはできますが、控訴審でも負けて、その後、裁判が確定してしまうと、法的に請求することはできなくなります。

ただ、あきらめてしまったら、二度と返済の可能性はないかもしれません。

証拠が弱いときは録音や新たに書面を取り付けることで証拠を整える。それでもだめなら、ダメ元で訴えてみる。借金の回収はあきらめないことが大切です。


-貸金返還訴訟

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

貸金の返済を求めたら、借りたのではないと反論された場合の再反論

貸したはずのお金なのに、貰ったものだとか、出資だとか、債務の返済だったなどと反論されることが時々あります。こうした場合、たいてい借用書などの証拠がないこともあります。 借用書があっても、実態は、事業へ …

(請求の趣旨)民法改正後の法定利率は計算上いつから適用すべきか

改正の概要 令和2年4月1日施行の民法改正により、法定利率を年3%に引き下げる改正が行われました(改正前は年5%)同時に3年ごとに自動的に見直される変動制が導入されており、今後は民法改正によらずに、法 …

貸金返還請求事件で、どのような反論が想定されるか

貸金訴訟を提起された被告としては、どのような反論をすることが考えられるか。その法律根拠と、主張立証のポイントを解説します。 一般論として、貸金の請求に対する抗弁としては、以下のようなものが成り立ちます …

貸金返還訴訟の請求原因

基本形 貸金請求訴訟の請求原因は、 1 金銭を交付したこと2 金銭消費貸借の合意(返還合意)3 返済期日の合意4 返済期日の到来 という4つの要件を主張することが必要です。 実際の訴状の請求原因の記載 …

エクセルで請求の趣旨の利息計算

利息や遅延損害金の計算方法と請求の趣旨の記載 上記の記事でも説明していますが、裁判所の利息の計算は、1年以上の期間がある場合は年単位で利息の計算をし、1年未満の日数は、日割り計算をします。そのため、日 …