DIY裁判

本人訴訟を支援するため弁護士が作ったサイト。弁護士なしで裁判をする方法について解説します。

訴状 訴訟手続

付属書類

投稿日:5月 13, 2019 更新日:

付属書類とは、訴状に添付する書類のことです。例えば、不動産関係の訴訟の場合、訴状提出時に登記事項証明書や固定資産評価証明書の添付が必要な場合があります。また、原告または被告が法人である場合、法人登記の証明書を添付します。

添付する付属書類の一覧を、以下のように訴状にも記載します。

付 属 書 類
1 訴状副本 1通
2 甲号証写し 各1通
3 登記事項証明書 1通
4 固定資産評価証明書 1通

典型的な添付資料をいくつかご説明しましょう。

訴状副本

訴状は正本と副本の2通を提出します。正確にいうと、被告の人数分の副本を提出しますので、被告が2名の時には副本も2通です。正本と副本の内容は全く同じでなければいけません。被告が複数の場合の副本ごとの内容も同じである必要があります。

証拠の写し

写しとは、コピーのことです。コピーは、副本用にも必要なので、合計2部ずつです。しかし、訴状の付属書類の一覧には、「甲号証の写し 各1通」と記載します。副本が2通以上になるなら、その分証拠の写しの部数も増えます。

会社の登記事項証明書

法人の登記の証明書です。以前は謄本という言い方をしていましたが、コンピュータ化されてから登記事項証明書という呼び名となりました。

法人の登記の登記事項証明書は、種類があり、「現在事項全部証明書」「履歴事項全部証明書」「代表者事項証明書」があります。登記事項証明書というのは、総称で、どこまでの情報が書かれているかで、タイトルの違いがあります。どれをとってもかまいませんが、いろいろな情報が書かれている「現在事項全部証明書」か「履歴事項全部証明書」をとりましょう。

訴状に付属書類として添付する場合、原本を提出し、写しを提出する必要はありません。
証拠としてのみ提出する場合は、他の書証と同じように、コピーを添付します。証拠と附属書類を兼ねているような場合は、コピーを証拠番号を書いた「甲号証の写し」として提出し、原本も附属書類として提出します。

今でも「会社の謄本」などと通称されることがあります。法人自体の実在の確認、法人の住所である本店所在地、代表者の氏名を確認する目的で提出することとされています。この書類は、法務局で誰でも取得できます。申請書を郵送したり、ネットでもとることができます。

不動産の登記事項証明書

不動産登記についてもコンピュータ化されてから登記簿謄本から登記事項証明書と呼び名が変わりました。

会社の登記事項証明書と同じように、全部事項証明書と現在事項証明書があります。見やすいのは現在事項証明書ですが、全部事項証明書を取得しましょう。不動産は、以前の所有者やすでに抹消された権利の登記が問題になることもあり、現在事項証明書にはこのような記載がないので、必要な記載が不足する場合があるからです。

法務局で誰でも取得できます。申請書を郵送したり、ネットでもとることができます。

取得する際は、地番や建物番号を知っている必要があります。住所と地番が異なることがよくありますので、地番がわからない場合は、ブルーマップという地図で調べて確認します。ブルーマップは法務局にありますので、図書館などに行く必要はありません。法務局の職員さんに聞けば調べてもくれます。

訴状の附属書類として添付する場合は、原本を提出します。 コピーを提出する必要はありません。 証拠としてのみ提出する場合は、他の書証と同じように、コピーを添付します。証拠と附属書類を兼ねているような場合は、コピーを証拠番号を書いた「甲号証の写し」として提出し、原本も附属書類として提出します。

固定資産評価証明書

不動産の価格の確認のために提出します。固定資産評価証明書は、市役所などで取得できます。相手方の財産の固定資産評価証明書を取得する場合は、無条件では取得できませんので、参考資料として訴状を持参し、裁判所に提出する必要があることを説明すると、取得することができます。
これも原本を提出し、コピーを付ける必要はありません。

-訴状, 訴訟手続

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

記名押印

訴状の記名押印は、ワープロで印刷した記名に朱肉で押印して行います。もちろん自筆でもかまいませんが。 個人であれば氏名のみ、住所を付記する必要はありません。なぜなら、住所は、当事者の記載の欄で記載するた …

行方不明になってしまった賃借人への対応(訴訟提起編)

賃借人が連絡がつかなくなったとか、行方不明という場合にも、賃貸人は、勝手に貸室内の物品を処分することはできません。 たとえ契約書に、所有権を放棄したものとみなす等の規定があったとしてもです。 どのよう …

訴状受理後の訴状審査で却下されないための対応方法

補正の促し→応じない→補正命令→応じない→却下 裁判所の受付で訴状が受理されると、裁判を担当する部門に配転されます。 ここで、正式な意味での「訴状審査」が行われます。 訴状に不備があると、裁判所から電 …

no image

請求の原因には何を記載するか

請求の原因とは 請求の原因とは、金銭の支払や不動産の明け渡しを求める権利が存在することを根拠づける事実関係です。 法律の内容は、要件と効果で説明されます。たとえば、貸金返還訴訟において、①金銭を交付し …

訴状提出時の印紙、予納郵券に関するよくある疑問

収入印紙 訴状に添付する収入印紙は、民事訴訟を申し立てるための費用、いってみれば、裁判所の利用料です。その金額の算定は、訴額に応じて決まります。 算定表は、裁判所HPにありますので、下記リンクからご確 …